やなぎにっき

学んだことの記録

チェリー本輪読会を完走しました

フィヨルドブートキャンプ内で開催されていたトミーさん主催のプロを目指す人のためのRuby入門、通称チェリー本の輪読会を最後まで読み終えたのでその感想です。

書きたいことが多く文章がかなり長くなってしまいましたが、それだけ得るものの多い輪読会になりました。

目次

輪読会の概要

フィヨルドブートキャンプ(以下フィヨルド)の教材でもあるチェリー本を、主催のトミー(id:eatplaynap329)さんや自分をはじめとしたフィヨルドで学ぶ受講生8人程度で読み進めていました。ラジオ参加の方を含めると10~15人程度参加する日もあり、比較的賑やかな雰囲気の輪読会だったと思います。

開催日時は平日の毎朝9:00〜10:00、Discord上で行いました。5月の下旬から開始し9月の半ばに終わったため、約4ヶ月ほどで読み終わったことになります。

輪読会は基本的に参加者で本の内容を音読しながら、ドライバーがirbでサンプルコードを実行するというモブプロ形式で進めていました。

参加した経緯

フィヨルドでは以前から輪読会がいくつか開催されており、私も何度か参加したことがありましたが、最初からレギュラーメンバーとして参加するのは今回の輪読会が始めてのことでした。

参加した目的はもちろんRubyの理解を深めたいこともありましたが、何より誰かとRubyやプログラミングのことを話せる場が欲しかったのが1番の理由です。 というのも、輪読会に参加する前まで自分はフィヨルドのカリキュラムをもくもくと1人で進めていたため(もちろんメンターのサポートもありましたが)、プログラミングの楽しさを誰かと共有したいと思っていたためです。

輪読会を完走した結果としては、その目的を十分に実現できた輪読会になりました。

輪読会を終えてみて

できるようになったこと

本の深掘りができた

チェリー本は以前に1度読んでいましたが、自分1人で読むよりもずっと輪読会で読むことでチェリー本の内容の理解が深まりました。1人で読んでいる時にはさらっと読み流してしまうところも、参加者から出た疑問点を起点に内容を深掘りすることでRubyの理解を深めることができました。

本の内容に関連して、参加者同士で「そういえばレビューでこういう指摘を貰った」「bootcampではここで使われている」と実践的なエピソードの共有もよくしていました。

具体的にどういった深掘りをしていたかは、タマキさんが週ごとに(!)まとめてくれていいます。

shirotamaki.hatenablog.com

コードをirbで動かしながら理解した

本に出てくるサンプルコードは読むだけでなく、実際にドライバーがirbでコードを実行していく形で進めていました。

輪読会の最初の方はただ読むだけだったのですが、この形式にしてからの方が本の内容を理解しやすくなったと感じています。

ただサンプルコードを試すだけでなく、「この値を変えたらどうなる?」「このメソッドを試してみたらどうなる?」と他の条件も試すことでより深い理解ができました。自分には思いつかなかったような視点を他の参加者から共有して貰えるのも、複数人で本を読む輪読会ならではのよさだと思います。

次第に参加メンバーの深掘り力がついてきたおかげか、たびたび本に書かれていること以上の深掘りをしてしまい本の内容が全く進まなかった……ということもありました。笑

輪読会でirbに触り慣れたおかげで、輪読会以外の場面でもRubyの挙動を調べるためにirbを使うことが多くなりました。

公式リファレンスを読む習慣がついた

本に書いてあることの理解でとまらず、公式リファレンスも一緒に確認することも輪読会を進めていく中で習慣化していきました。

分からないことや本に書いていない内容は大体るりまに書いてあったことが何度もあり、公式リファレンスをあたることの重要性を認識しました。

質問をすることに抵抗がなくなった

今まで自分は質問するということに苦手意識がありました。というのも「こんなことが分からないのは自分だけじゃないのか」「時間を割いてしまって申し訳ない」と思っていたためです。

質問の重要性に気づいたのは、輪読会で質問をされる立場になったことがきっかけです。

参加メンバーから挙がった疑問点や質問は、自分も分かった気になっていただけで分かっていなかったことや、質問の答えをメンバーで突き詰めていくことでちゃんと理解できていなかったことに気づく場面が何度もありました。

このように、他者の疑問が自分の理解にもつながり、また自分の疑問も誰かの理解の助けになるのだと気づいたことから、質問をすることに抵抗がなくなりました。

よかったこと

メンバーと輪読会を最後まで読むことができた

この輪読会では毎日参加していたレギュラーメンバーが序盤から最後まで欠けることなく完走することができました。平日毎日1時間でやっていたことを考えるとすごいことだと思います。正直なところ、輪読会が始まる前は自分が最後まで参加できるか不安なところがありました。

最後まで楽しく完走できた理由を自分なりに考えてみたのですが、輪読会の振り返りを行ったこと、またメンバーそれぞれの得意なことがうまく作用した輪読会になったことの2つがあったからだと思っています。

輪読会の振り返り

今回の輪読会では、毎日5分程度の時間を使って輪読会自体の振り返りを行いました。そこで「○○さんの司会が進めやすかった」「ここは深掘りしなくてもよかった」といった風にいいところも改善すべきところも振り返りを行うことで、回を増すごとによりよい輪読会にできたと思います。

また、輪読会の時間とは別にKPTを行う機会を定期的に設けました。ここで毎日の振り返りでは出なかったような問題や改善点を挙げることでより良い輪読会にすることができました。

それぞれの得意なことがうまく作用した

レギュラーメンバーが8人程度いたのですが、毎日輪読会を行う中でそれぞれの得意なことが分かってきました。

  • 人に分かりやすい言葉で説明できる人
  • 話をまとめてくれる人
  • 議論が停滞した時に話を切り出してくれる人
  • 話を聞くのがうまい人
  • なんとなくの理解でとどまらず、そもそもの段階から疑問に思う人
  • 分からないことを素直に共有できる人
  • 調べるのが上手い人

などいろいろな方がいました。

それぞれの得意なことがうまく作用したおかげで輪読会が有意義で楽しい時間になりました。

フィヨルドのコミュニティに積極的に入れるようになった

輪読会に参加して最もよかったことの1つです。

フィヨルドブートキャンプはプログラミングスクールではありますが、よくコミュニティに例えられることがあります。

自分はフィヨルド卒業生の方々が作ってきたコミュニティが活発だったからこそフィヨルドのカリキュラムの終盤までこれたと感じていますし、自分もこのコミュニティを作っていく1人になりたいと思っていました。しかし、輪読会に参加する前はあまり行動に移せていませんでした。

今ではチェリー本輪読会に参加したおかげで気兼ねなく話せる友人ができましたし、メンバーの方と交流していることが自分のことを知ってもらえるきっかけになり、メンバー以外の方とも関わりやすくなったと感じています。 今では自分もコミュニティを盛り上げている中の1人になれているのかなと思っています。

また、チェリー本輪読会がきっかけでフィヨルドのDiscord内でもくもく会が開催され、現在は恒常でもくもく会が開かれています。このもくもく会のおかげで以前より生徒やメンターと日頃から雑談しやすくなりました。

詳しくはいっしーさんのブログを読んでみてください。

isshi-hasegawa.hatenablog.com

好きなRubyのメソッドができた

Ruby界隈でよく自己紹介をするときに好きなメソッドをあげることがよくあります。自分は今まで「なんとなく便利だからmapかな」程度にしか思っていなかったのですが、輪読会でさまざまなRubyのメソッドを知る中で自分の好きなメソッドに出会えました。

ちなみに自分の好きなメソッドはString#[]です。

scrapbox.io

著者である伊藤さんが輪読会に参加してくれた

チェリー本の著者であり、フィヨルドブートキャンプのメンターである伊藤(id:JunichiIto)さんが輪読会に何度かいらしてくれました。著者が参加してくれる輪読会はなかなかないと思います……!

輪読会の最終回にも顔を出してくださり、なんと著者にあとがきを読んで頂くというエモい最終回になりました。

近いうちにチェリー本の改訂版がでるとのことです!自分も早速予約しました。

blog.jnito.com

輪読会がきっかけでやったこと

トミーさんが作ったbotにPRを送った

輪読会主催のトミーさんが輪読会で使うDiscordのbotを作ってくれました。 botはDiscordの音声チャットにいるユーザーの中からランダムで誰かを選んでくれるというものです。

eatplaynap329.hatenablog.jp

チェリー本の輪読会では毎日司会者や感想の発表者をランダムに選んでいて、今までirbでrandomを使って指名していたところを、このbotのおかげでディスコードのテキストチャット上でコマンドを実行するだけで指名できるようにりました。便利すぎる!

輪読会で実際に使ってみて「指名する人数を選べるといいよね」という話が上がったので、自分がPRを出したところマージして貰いました。

調べるのもコード書くのが楽しかった・botの作成者に喜ばれた・自分も便利になった・輪読会もスムーズに進んだ、とお得な体験でした。OSSコントリビューターだ✌️

まとめ

Rubyの理解が深まっただけでなく、他にも得るものが多い輪読会になりました。勇気を出して参加してよかったな〜としみじみ感じています。

チェリー本を読み終わった現在は同じ時間帯にやつはしさん主催で現場Railsの輪読会をしています。チェリー本と同じように試行錯誤してより良い輪読会ができるように自分なりに関わっていきたいと思っています。